4輪操舵(4WS)ってどんな技術?4WDとの違いは?
2018/02/24
車関連の動画や記事を見てみると、「4WS」という単語をよく目にします。「4WD」は4輪駆動を意味するのを知っているが「4WS」はわからないという方は多いのではないでしょうか?
今日は「4WS」の意味やどんな技術なのか、採用しているモデル等を以下の内容で紹介します。
「4WS」は何の略?どんな技術?
何の略称?
「4WD」は「Wheel Drive」の略称ですが、「4WS」は何の略称でしょう?「4WS」は「4 Wheel Steering」の略称です。日本では4輪操舵と言われています。日本語だとどんな技術かイメージしやすくなりましたね。
どんな技術?
一般的にはハンドルを切ると前輪だけが反応して動きますよね?4輪操舵は後輪もハンドル操作に応じて動くシステムです。後輪が動く?と疑問に思う方は多いと思いますので、どのように動くか図で見てみましょう。
ハンドルを切る際に後輪が前輪と逆方向に動く方式を逆位相方式、後輪が前輪と同じ方向に動く方式を同位相方式と言います。これらの方式の使い分けですが、走行の速度が遅いときに逆位相方式、速度が速いときに同位相方式が使われます。
「4WS」のメリットは?
次に、4WSのメリットをお伝えします。逆位相方式と同位相方式それぞれのメリットを見てみましょう。
まず、速度が遅い場合に使われる逆位相方式、メリットは回転半径が小さくなることです。近頃は車のサイズがどんどん大きくなりつつあります。特に上級モデルだと車体は大きいものが多いですよね?こういった場合内輪差が生じやすくなったり、回転半径が大きく狭い路地などでは運転しづらくなる問題が出てきます。そこで「4WS」を採用することで本来よりも小回りが効くことが可能になり、運転がしやすくなります。
次に、速度が速い場合に使われる同位相方式、こちらのメリットは高速で走行する時に横滑りを防ぐ、車線変更が緩やかにできるなど車の安定性を向上する役割があります。
このように車速に応じて、その時に必要な役割を果たしてくれる「4WS」。とても便利なシステムですね。
いつごろの技術?
車速に応じて後輪が操舵をアシストする「4WS」。最近の新しい技術かなと思いきや、実は1980年代中盤から自動車に導入されている技術です。ちなみに世界初となる「4WS」を採用した車はスカイライン7代目のR31型だそうです。昔からある技術だったんですね。
当時はNISSAN、ホンダ、マツダが「4WS」を採用したモデルを販売していました。何とダイハツは軽自動車に「4WS」を採用したモデルを用意したそうです。しかし、当時「4WS」が出たものの、前輪での操舵に比べ違和感を感じる人が多いこと、複雑な機構であるため高額になる等の問題により販売台数は伸びなかったようです。
現在は2輪操舵との違和感を減らすために、後輪のレスポンスを少し遅らせるなどの工夫がされています。複雑な機構であるため、現在も4輪操舵採用のモデルは高額な上級モデルに「4WS」が採用されています。例えばBMW7シリーズとかですね。ちなみに、あのランボルギーニも「4WS」を採用しているモデルがあるそうで、アヴェンタドールSが「4WS」初採用のモデルとのこと。
昔流行った技術が、近年またブームになってきていること、ハイグレードモデルやスポーツカーなどに用いられる技術が日本のメーカーが先行して取り組んでいた技術であることがとても誇りに思えますね!
まとめ
■「4WS」は「4 Wheel Steering」の略。日本語では4輪操舵
■「4WS」には逆位相方式・同位相方式がある
■実は1980年代からある技術で日本のメーカーが先行して取り組んでいた技術